− 2017/07/09
パフォーマンス「Aether」に寄せる、私の解説文
2017/07/09公演しましたAetherは、奥田ナオト展のテーマでもあります「五方陣」「透明な光」を汲んで、宮沢賢治の「生徒諸君に寄せる」を用いて朗読とダンスと音楽でコラボレーションしたものです。
全体の設計は皆でアイデアを出しながら作りましたが、わたくしは作曲家の視点から様々なアプローチや演出をこの作品に行っております。
宮沢賢治は科学・テクノロジーへの興味を示し人間のたましいを電気信号に例えるような視点を持ちつつも、自然への讃歌を常に絶やさないソフトSF的な感性が感じられます。
また戦争の時代でもあり抑圧への抵抗と自由への夢想が特に今回用います「生徒諸君に寄せる」には強く感じられます。
こうした独特な憂鬱さからテクノロジーとたましい、社会と個人と言った問題に悩む現代日本に響くものが宮沢賢治の詩には未だにありましょう。