加藤綾子によるヴァイオリン、石川潤による電子音響、そして、Risako Ishikawaによるダンス。 それぞれ、異なる手段で表現を行う3人が組み、10月に開催した初回公演【Marchen】は、中原中也の詩作『一つのメルヘン』を下地とした。
今回、2度目の公演のテーマとして選んだのは、同作家による『(題を附けるのが無理です。)』。
その詩に現れるのは、断片的なことばと、滑稽な光景だけ。
観客ひとりひとりが思い描く詩の光景と、出演者たちが思い描く詩の光景。
いくつもの『(題を附けるのが無理です。)』が、カード【Karte】の束をばらまくように交差する――単なる詩の再現にとどまらない、奇妙で美しい空間を、『カフェ・ムリウイ』で生み出していく。
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